私は、2014年から3年間、20haほどのスギ、ヒノキの人工林の間伐を行いました。それまでチェンソーを使ったこともなく、おっかなびっくりの作業でしたが、ベテランの方に教わりながら無事に行うことができました。ここでは、その時の森林の様子などを書きました。
手入れ不足の人工林

手入れ不足の人工林は?
写真は、間伐を行っていなかったために成長できず、細い状態の杉林で撮ったものです。台風で何本もの木が折れたり曲げられた状態になっていたものです。
このように曲げられてしまうと、もとに戻すことは困難で、切り倒すしかありません。ここまで行く手前の段階で、2本の木が絡み合うこともありますが、その場合も戻すことは無理で、切ることにしています。
写真の樹の場合、曲がりによる歪がたまっており、切ると大きく割れるので、慎重に処理する必要があります。私は、枝打ち用の長く伸びる鋸を使って切り倒しました。
切り倒し、整理したあとで撮ったのが次の写真です。複数本まとめて切るだけでも、森林の中は明るくなります。

折れ曲がった樹を切り倒した後
もう少し、間伐をする必要があると思います。
間伐を行っていて、遠方からみると切るべきだと思って近ずいてみると、いやまてよ置いてもいいかも、と気が変わることがたびたびありました。
本当は切るのが正解なのだろうと思いますが、
近ずいてよく見ると、そんなに悪くないとか、勿体ないという気が起こるのか・・・ これではダメですね。
次の写真は、太い葛が杉の木に巻き付いています。蛇が巻き付いている様にも見えますが、年数がたつとこんなことにもなるんですね。同じようなものは、幾つか見ました。

葛が巻き付いた杉
もちろん、葛は切り、取り除きました。このまま放置するとと樹に型が残るようになり、さらに進むと折れてしまうことになるんでしょうね。
植物の戦いは、ゆっくりとしかし厳しいものなんだと思いました。

台風で折れた杉
少しわかりにくいのですが、杉の木が上部で、折れています。台風のせいだと思います。この例では2本だけですが、ひどい時には、広範囲にわたって折れることもあります。
樹の栽培は、自然の中で長年月を要するため、当然このようにリスクも伴うことになります。このようなことを考えると、木材価格はもっと高くない割りに合いません。

幹が削られている杉
杉の樹と雑木が混植になっている場所でみた現象です。雑木山に生えて成長した杉の木に、伸びてきた雑木の枝が接触し、擦られたもので、痛々しい傷になっています。
雑木は取り除きましたが、傷は残るでしょうね。

放置された間伐材
間伐する林地に、数十年前の間伐材がそのまま放置されていました。
間伐作業の障害になるので、下の写真のように、事前に切断し、まとめて積み上げました。

整理後の様子
横たわっている木を切るときは、チェンソーの刃が地面に接触しないように気を使います。少しでも石に当たれば、途端に切れ味が悪くなります。
このように整理した後に、間伐を行い、さらにそれを適当な長さに切断し、まとめて積み上げました。
(注)この投稿で使用した写真について 私は2014年から2016年の3年間、「森林・山村多面的機能発揮対策交付金」を受けて、多くの人達に協力していただいて、人工林の間伐・整理と低木雑木林の伐採・林産物植樹などの作業を行いました。 この投稿では、その時に撮った写真を使っています。20年程度以上手入れが行われていなかった人工林で起こっていた現象についてのお話ということになります。